コーギーといえば尻尾が無いお尻を思い浮かべる人が多いはず。
カーディガンは尻尾があるが、日本でコーギーといえばペンブロークで、カーディガンの存在を知らない人もいる。
尻尾の無い犬は、ドーベルマンやボクサーもご存知の犬種。
断尾の目的は、「尻尾を切ったらおとなしくなる」と子供の頃の記憶にあるのだが、ドーベルマンやボクサーは闘犬。おとなしくなったら駄目じゃん!
そして、その後に知ったのは「戦ってる最中に咬まれないように」だった。
こちらのほうが利にかなってる。
当時は、コーギーなんて知らなかったと思うので「尻尾や耳が短い犬は闘犬で怖い犬」と思ってた。
しかし最近はそういった目的でなく、その犬らしくあるために断尾や断耳が行われているようだ。
犬は昔から人間と共に生活していて、一緒に猟に行ったり人間の作業を手伝ったりギャンブルの対象になったりして、そのご褒美として餌をもらって、そこにひとつの契約が成り立っていたのだろう。
ドーベルマンやボクサーは「噛み千切られたら困る」から断尾が行われていたのだろう。
コーギーの場合も同じで牛に尻尾を踏まれないようにするためらしく、「可愛いから」なんて理由ではなかった。
ほかにも
・猟師にキツネと見間違われないように
・野良犬との区別
・税金対策
などが言われているようだが、理由は定かではないようだ。
牛を追っていたコーギー、「牛に尻尾を踏まれないように」断尾していたペンブローク。
しかし、ここでひとつの疑問が
。
カーディガンもペンブロークと同じく牛追いの作業をしてたのだったら、なぜ断尾しないのか?
「野良犬との区別」や「税金対策」ならカーディガンも同じだろう?
そこでちょっと調べてみると、グレートブリテン島へやってきた後の一時期、ペンブロークとカーディガンとで外貌を向上させるために交雑が行われた。
2犬種が似ているのはこれが原因らしく、言い換えればそれ以前は似ていなかった。
それ以前の尻尾は全く無いくらいに短かった。
今のペンブロークに尻尾があるのは、カーディガンに似てしまったから
。
ペンブロークの中には、生まれつき尻尾が短いか全くない「ナチュラル・ボブ」が存在するらしく、「元々は無かった説」が有力な気がする。
「断尾は動物虐待だ!」
犬が飼われる目的が変わったのに、まだ断尾が行われている。
「犬種スタンダードを守る必要はわかるが、ならば基準を変えればいいじゃないか!」
ヨーロッパでは、動物愛護団体の運動で犬の断尾や断耳を禁止する法律ができ、ヨーロッパ大陸では尻尾のあるコーギーがよく見られるらしい。
原産国イギリスでは、素人による断尾は禁止だが、獣医師による断尾はOKらしい。
アメリカでは、動物権利保護団体よりもアメリカケネルクラブの力が強いらしく断尾禁止はありえない雰囲気。銃規制と全米ライフル協会との関係のようなものだろう。
さて、日本はどっちの転ぶのだろうか 。
ちなみに断尾断耳の主な対象犬種は、
ウェルシュ・コ−ギ−・ペンブロ−グ、ヨ−クシャ−・テリア、フォクス・テリア、ボストン・テリア、ド−ベルマン、ボクサ−、シュナウザ−、グレ−トデンなど、その他多数。